精神論・根性論の必要性について

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精神論・根性論は現代でも必要なものなのか

 

『精神論』『根性論』とは、「人間の精神力は高ければ高いほど、物質的な劣勢を跳ね返せる」と定義されており、苦難に屈しない精神=根性があれば、どんな問題でも解決でき、またはどんな目標にも到達できるとされており、人間の限界を引き上げるものとする考え方のもと、家庭や義務教育などで受け継がれてきています。

 

日本では根性論の方でよく言われており、スポーツやビジネスなど様々な分野において、現在でも用いられている思考法です。しかし近年では「軍国主義の精神論に近く、人間の尊厳を軽んじる思想」として、厳しく批判される面もあり、その賛否は大きく分かれています。

 

 

根性論というものが普及した背景

 

そもそも『根性』とは、本来は仏教用語の機根に由来する言葉です。本来は「その人間が持って生まれた性質」という意味であり、より深くは衆生が、仏の教えを受け入れられる能力や器の浅深の事とされています。

 

それが現在のような、「異常なまでの努力」といった意味合いに変化(誤用)されるようになったのは、実はまだ歴史は浅く、東京オリンピックの女子バレーボール日本代表チーム(いわゆる『東洋の魔女』)に特訓を課し、金メダルに導いた指導者である大松博文氏の発言がキッカケとされています。

 

根性論は1960年代から1980年代にかけて急激に普及をしましたが、医学的知識も根拠もなく、理不尽かつ暴力的な加虐行為を繰り返す責任者によって、健康や精神被害を訴える人が続出し、管理責任を問う裁判が起こされるなどの、社会問題も発生していました。

 

精神論・根性論のメリット

根性論のメリットは基本的に精神的に弱っている部分を補ったり、活を入れて気合を入れる事で、前向きな考えを持てるようにするためとして用いられます。

 

特にスポーツでは、根性というものが強く用いられますが、現代では営業職をはじめとするビジネスの世界でも多く用いられており、ビジネス本には根性論の色彩が強く記載されています。

 

「苦労に挫折をせずさらなる向上を目指した結果、今までできなかったことが可能となり、そして、そのような利益を得るためには、常に努力をしていくことが大事。また努力を続けるために必要なのは根性であり、何事にもめげない精神力こそが必ず人を成功へと導いていく」

 

このような事が成功法のマインドとしてよく書かれています。このような考え方は別に間違っている事ではありません。実際にメンタル面が結果を左右する場面が多いのも事実です。精神論・根性論は、モチベーションを維持させる事にも効果があり、苦しい時のための状況を打破するためにも必要なものです。

 

精神論・根性論のデメリット

精神論・根性論にとってのデメリットは、思考が過度になる傾向が強く、間違った方向へ進んでいく事が多いことです。

 

日本での根性論は、論理よりも精神が中心になってしまい、相手が納得する内容にはならず、論理的な物事で解決を図る比重が高いものについては、いくら根性を出せと言っても物事の解決には役に立ちません。

 

また過度な根性論を定義してしまうと、スポーツシーンなどにおいては「危険ともいえるトレーニング法や、故障しているのに無理してしまう」というケースであったり、学校やビジネスシーンにおいては「イジメや体罰、セクハラ、パワハラ」などの問題も数多くあります。

 

「途中で投げ出さず最後までやり遂げる」や「途中でやめるのは格好が悪い」といった根性論は、日本では非常に強く伝えられてきており、その背景には旧時代的あるいは軍隊的な発想や思考が、根拠になっているものも少なくなくありません。

 

特に戦時中においては、この思考が強く強制されていましたが、ただ無駄に多くの犠牲者を生む事になり、何一つ良い事が生まれなかった事は言うまでもありません。

 

現代においても、過剰な根性論は合理性のかけた思考といえます。

 

精神論・根性論は必要ないものか?

「精神論・根性論は必要ないか?」という、とまったく必要はないとは言えません。どうしても精神論が必要な場合もあります。

 

もちろんこの世の中、根性だけではどうにもならないし、根性があっても夢は叶いません。しかし精神を鍛え高めていく事は、己を高めていくことであり、生きていく上では必要な事だと思います。何もないただダラけきった状態では、出来る事すらできなくなってしまい、自分で成し遂げようという気持ちすら無くなってしまいます。

 

でも日本においての「根性!根性!」というのは、やはりいき過ぎです。

 

特に日本のスポーツ系指導者は根性というものに美学を感じており、それに酔いしれている人が実に多く、過剰な指導をしてしまいがちです・・・。こんな人達から、「精神を鍛えろ!」と言われても説得力は感じられません(笑)

 

現代においては強制ではなく自発的が望ましい

時代も変わり現代に生きる若い人たちは、昔のような根性論を展開しても、根性論丸出しの環境に育っている人達は少ないため、そういった環境に耐えられなくて、かえってやる気が出なくなる傾向も強いです。

 

生きている以上、精神論が必要になる場合もあります。しかしそこに強制させる事があってはならず、あくまでも本人から純粋に精神を鍛錬したいという、気持ちを引き出していくことが重要です。そうする事でおのずと、精神を鍛え高めていけます。

 


 

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