ナポレオン・ヒル「悪魔を出し抜け!」の客観的考察

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「悪魔を出し抜け!」から学べることとは?

 

「思考は現実化する」という書籍で有名なナポレオン・ヒルの本の中で、「悪魔を出し抜け!」という本があります。この本は、「思考は現実化する」を発表した翌年である1938年に書き上げながら、親族の反対により70余年封印されていたもので、日本では2013年に出版されました。ここでは「悪魔を出し抜け」について少し考察してみました。

 

 

どうして70年も封印されていたのでしょうか?

70年も公にされてこなかった理由には、ナポレオン・ヒルの妻であるアニー・ルーが公表に反対していたからです。その理由には、この本では悪魔が登場し、ナポレオン・ヒルと悪魔との対話というのがメインになっています。

 

これだけでも十分に異色を放っており、当時では中々受け入れがたいものとなっています。さらに悪魔との対話のやり取りの内容においても、宗教や教育に関しての事で、かなりの過激な内容となっており、各宗教や教育機関から攻撃されることも十分に考えられ、それらの事を恐れていたためとされています。

 

 

「悪魔を出し抜け!」は人間の弱さをテーマにしている

 

「思考は現実化する」では、様々な成功者達の成功するまでの過程を分析していき、どんな人間も信念を持って前向きに思考した事は、必ず行動を介して現実化していくという成功法をまとめた自己啓発本です。

 

しかし「悪魔を出し抜け!」では、「人はなぜ自分の意思だけで生きられないのか」「なぜ人は周りの環境に流されるのか」などの、人間の心の弱さの部分をテーマにしています。

 

またその弱さは「悪魔のせいだ」とし、あえてキリスト教圏では忌み嫌われる存在の「悪魔」を対話相手として、「悪魔」の口から真理を語らせるという一つ一つ覆していくストーリー展開となっています。

 

本のタイトルや悪魔との対話という点で、スピリチュアル的な要素を感じますが、中身はフィクションでありオカルト本の類では全くありません。

 

実際に悪魔と対話したかはわからない

 

「悪魔を出し抜け!」では、ヒル博士が「思考は現実化する」という書籍を作り上げていく過程において、様々な栄光と挫折、トラブルなどを味わい、やがて『無気力、憂鬱、恐怖』など、自分の中の内面と葛藤していくようになります。

 

そしてその葛藤が頂点に達した時に、ある種の悟りのようなものを得て、その後に悪魔との対話が始まります。この本の中でいう悪魔というのは、悪魔を恐れる人々の意識の中に住む「否定的なエネルギー」として捉えられています。

 

悪魔の目的って?

 

この悪魔は人々の意識に、貧困や非難、死に対する「恐怖」などの否定的な思考のタネと、酒やタバコといったもので思考を破壊する習慣をどんどん植え付けます。

 

そうすることで悪魔は自分の頭でほとんど、あるいはまったく考える事をしない「流される」人間を生みだし、その人々の意識をコントロールして、世界を支配しようとしています。

 

さてこの悪魔との対話は本当なのか?という疑問を持つ方も多いと思います。
その事については、本の中でも語られていますが、簡単に言ってしまうと「信じるか信じないかはあなた次第」という事です。

 

「悪魔を出し抜け!」の大きなポイント

 

「流される習慣」という事について

悪魔を出し抜けの本で最も重要視している部分と思われるのが、「流される」という事についてです。

 

この本で「流される」人達について語られているのは、「精神的な怠け者であり、アタマを使うことをほとんどせず、周囲の状況に影響を受け、コントロールされてもそれに抵抗すらしない」。

 

また「自分で考えることを面倒くさがり、人生に何が起ころうとそれに甘んじる。そして人生に何を望めばいいのかわからず、毎日ぼんやりと過ごしている」。

 

「流される」という事が、いかに大きな弊害を持っているのかということを、本の中では書かれています。

 

親や学校教育、教会の在り方を問う

「悪魔を出し抜け!」では、考えさせることをせず、ただひたすら答えを暗記することに重点を置いている学校教育、何でもすぐに手助けをしてしまう、そして宗教的価値観や規範を、洗脳ともいうべき形で説く宗教指導者達の在り方に、大きな問題があると投げかけています。

 

これらの何が問題なのかというと、自分で考えられない子供を育成しているという事です。

 

多くは当然、「良かれ」と思ってやっているのですが、結果的に「考えない」子どもたちを量産してしまっていると悪魔は述べており、これらの問題とする改善策についても、具体的に細かく悪魔は語っています。

 

正しい対話の方法を教えてくれている

「悪魔を出し抜け!」の構成は、ヒル博士と悪魔との対話形式になっています。

 

対話というのはどんな事においても、思考を深めたり、原理原則を追求していく為には、とても有効な手段です。しかしそのためには、「正しい対話」というのがとても重要です。この本では、ヒル博士と悪魔が、何度も「正しい対話」という事についてやり取りをしています。

 

自分と価値観の異なる人との対話というものは、非常に難しいものです。時に冷静を欠いてしまう事だってあります。しかし「感情に流されることなく、自分とは異なる主張や論理を冷静に整理しながら、的確な質問を繰り返していく姿勢」が、正しい対話であるという事を、この本では教えてくれています。

 

「悪魔を出し抜け!」のまとめ

 

「思考は現実化する」では、「成功法則に則って思考し行動すれば成功する」という啓発本なのに対して、この「悪魔を出し抜け!」では、「流される思考や心の弱さを持ったままでは成功はしない」という逆からの視点で書かれている本と言えます。

 

「悪魔との対話」という事でスピリチュアル的な側面があり、「思考は現実化する」でのナポレオン・ヒルとは違う要素も印象深く感じます。

 

本では、ただ「ダメだ」では終わらず、自分の弱さとの向き合い方、乗り越える方法、流されるという習慣の害、また教育制度や教会に対する疑念についてなど事細かく、現実的に考察されている本で、現代においても非常に通じる部分があり、とても70年も前に書かれていたものとは思えない内容です。

 

また「思考は現実化する」ではほぼ語られる事のなかった、引き寄せの法則についても深く掘り下げて書かれています。悪魔の存在は賛否はともかく、「思考は現実化する」と対をなしての啓発本といえるのは間違いありません。

 

中々自分の理想に届かないという人は、逆視点で書かれているこの「悪魔を出し抜け!」は読んでみる価値があると思います。

 

 


 

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